Case01

ALCパネル外壁にひび割れ発生

対象建築物

用途
結婚式場
構造
鉄骨造 平屋建
延床面積
1,320.61㎡

事故の現象

竣工後半年経って、厚さ120mmのALCパネル仕上げの外壁面全面にひび割れが発生した。

事故原因

  • ALC特有の縦目地を消すことによって、継ぎ目のないフラットな仕上がり面を創り出したいという意匠上の理由から、ほぼ全てのパネルジョイント部に目地処理材を充填し、その上から非弾性塗装を施したところ、想定を大きく上回るスピードでひび割れが発生・拡大した。
  • 事故原因は目地処理材を使用する際の設計・施工要件となる、ワーキングジョイントの設置基準を満たしていなかったことである。

補償内容と支払い保険金

超弾性系塗材とメッシュシートを併用した再塗装工事を実施した。

  1. 申告損害額 : 1,290万円
  2. 認定損害額 : 720万円
    ※改善・改良に該当する費用を否認した。
  3. 賠償責任額 : 360万円(設計者責任50%)
    ※ワーキングジョイントの必要性や設置基準は、施工要領書にもはっきりと明記されており、施工者責任 を50%とした。
  4. 支払保険金 : 賠償責任額360万円-免責金額100万円=260万円

考慮すべきポイント

建築物の用途によっては、デザイン優先になりがちであるが、仕上材や目地処理材に対してメーカーと十分な確認をし、材料の性質を理解して採用する必要がある。

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