Case12

暖房設備の機能不発揮

対象建築物

用途
事務所兼作業場(新築工事)
構造
鉄骨造 平屋建
延床面積
1,592.65㎡

事故の現象

フリーダクト式蓄熱床暖房システムの効きが悪い。

事故原因

事故原因は設計者の暖房機器選定ミスである。設計者は、フリーダクト式蓄熱床暖房システムのことを、よく理解しないまま採用したために事故が発生した。また建築主に対する事前の説明が不足していた。

補償内容と支払い保険金

既存のフリーダクト式蓄熱床暖房システムを廃棄し、遠赤外線薄型パネルヒーターを設置した。

  1. 申告損害額 : 330万円
  2. 認定損害額 : 250万円
    ※改善・改良部分については、これを否認した。
  3. 賠償責任額 : 150万円(設計者責任60%)
    ※事故原因は設計者の機器選定ミスに起因するものであるが、メーカーの責任施工契約であったことから、メーカーの責任割合を40%とした。
  4. 支払保険金 : 賠償責任額150万円-免責金額50万円=100万円

考慮すべきポイント

床暖房のシステムによっては、フリーダクト式は温度が上がりにくいので、期待値とギャップが生じやすい。建築主に対して、十分な説明をしておくことが重要である。暖房機器選定に際しては、採用予定機器の実例を調査する等、十分な配慮が必要である。

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