Case14

空調機器の機能不発揮

対象建築物

用途
商業用オフィスビル(新築工事)
構造
鉄骨鉄筋コンクリート造 地上9階地下1階建
延床面積
27,764.55㎡

事故の現象

天井隠蔽型空調機器の静圧不足により、吹出風速が低下し、暖気が上方に滞留してしまう状態が発生した。

事故原因

設備設計担当者は、必要機器能力(kW)、必要機外静圧(Pa)、天井隠蔽ダクト吹出型であることを認識した 上で設計を行ったが、機種選定が不適切であり、その選定ミスを社内検図で発見できなかったことが事故につながった。

補償内容と支払い保険金

空調機器の交換を行った。

  1. 申告損害額 : 2,720万円
  2. 認定損害額 : 2,320万円
    ※空調機入替に伴うグレードアップ費用を否認した。
  3. 賠償責任額 : 1,160万円(設計者責任50%)
    ※調査の結果、施工図承認書が未提出であったことが判明したため、施工者責任を50%とした。
  4. 支払保険金 : 500万円(建築設備機能不発揮1事故支払い限度額)

考慮すべきポイント

空調機の機種選定には十分な設計上の配慮が必要である。また施工段階の施工図承認と監理業務上の慎重な確認作業が必要である。

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