Case06

すが漏れによる屋根の破損

対象建築物

用途
専用住宅(新築工事)
構造
木造(在来軸組工法) 地上2階建
延床面積
58.84㎡

事故の現象

竣工後8年経って、すが漏れにより屋根の損傷が発生した。

事故原因

  • 屋根葺き材として採用したアスファルトシングル材を屋根勾配10%で仕上げたことが原因であり、氷柱およ び氷堤発生時のすが漏れを食い止めることができなかった。 ※一般地域における釘打ち工法採用時の、屋根勾配についてのメーカー推奨値は25~30%、積雪地域に おいては35%である。
  • 通気層の高さが24mmしか確保されていなかったことも原因の1つと考えられる。

補償内容と支払い保険金

屋根を全面的に葺きかえ、通気層を確保した。

  1. 申告損害額 :240万円
  2. 認定損害額 : 220万円
    ※通気層確保のための工事は、改善・改良工事費に該当するため否認した。また廃材運搬処理費と荷揚げ費を下方修正した。
  3. 賠償責任額 : 154万円(設計者責任70%)
    ※施工者は多雪地域において長年建築に携わっており、すが漏れの発生を予見できたと判断し、施行者責任を30%とした。
  4. 支払保険金 : 賠償責任額154万円-免責金額10万円=144万円

考慮すべきポイント

多雪地域では、屋根葺き材の材質に応じて、屋根勾配と屋根形状に十分な配慮が必要である。

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