Case10

土間コンクリート沈下

対象建築物

用途
公民館(新築工事)
構造
鉄骨造 平屋建
延床面積
406.24㎡

事故の現象

竣工直後より、土間コンクリートの沈下が発生し、天井と壁の取合い部に隙間が生じたり、建具の開閉が困難になるといった不具合が次々と発生した。

事故原因

ボーリング柱状図を確認した際に、N値ゼロのモンケン自沈層が点在する軟弱地盤であることを看過し、安易に土間コンクリートを採用したことが今回の事故につながった。

補償内容と支払い保険金

特殊樹脂を土間コンクリート下の隙間部分に注入し、化学反応による樹脂の膨張力を利用して沈下を修正した。

  1. 申告損害額 : 600万円
  2. 認定損害額 : 600万円
  3. 賠償責任額 : 420万円(設計者責任100%のうち、元請設計者責任70%)
    ※協力構造設計事務所責任を30%とした。
  4. 支払保険金 : (賠償責任額420万円-免責金額10万円)×60%=246万円
    ※地質・地形もしくは地盤の組織にかかわる事故であることから、60%の縮小支払割合を適用。
    ※非会員事務所契約では、縮小支払割合は50%となる。

考慮すべきポイント

軟弱地盤に建物を設計する場合には、地盤改良工法の検討や構造スラブの採用等、沈下に対して十分な配慮をした設計が必要である。

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