事故事例集
Case16
遮音の不備
対象建築物
- 用途
- 賃貸共同住宅(新築工事)
- 構造
- 木造(枠組壁工法) 地上2階建
- 延床面積
- 476.36㎡
事故の現象
誤った仕様の界壁を採用したため遮音性能が不足し、隣室の音が聞こえてしまうと居住者から苦情が出た。
事故原因
採用した界壁が遮音性能の仕様を定める国交省告示1827号の基準を下回っていた。
補償内容と支払い保険金
界壁を改修し、遮音シートを新設した。
- 申告損害額 : 800万円
- 認定損害額 : 700万円※遮音シート新設は改善・改良工事に該当するので、これを否認した。
- 賠償責任額 : 350万円(設計者責任100%のうち、協力設計者責任50%)
※被保険者は元請設計者であるハウスメーカーの協力事務所であった。協力事務所といえども、界壁仕様に関する法規則や仕様を変更する際の留意、集合住宅の遮音・防火等基本性能に関するノウハウを習熟していなければならない立場にあったと判断し、元請設計者:協力設計者=50:50の責任割合とした。 - 支払保険金 : 賠償責任額350万円-免責金額10万円=340万円
考慮すべきポイント
界壁の設計に際して国土交通省告示を踏まえて十分な検討を行い、採用すべきである。